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→ 色の持つ力

最近引っ越しをしたので、ここのところ毎週のように

週末は家具屋さんやインテリアショップに出かけて

部屋の小物などを買いそろえています。

そこで気になるのが部屋のコーディネート。

中でも色は部屋の雰囲気を決める重要なポイント。

 

学生時代、被服を専攻しており色彩についても学んだことがあったので、

その知識を活かして部屋のコーディネートを楽しんでいます。

我が家の場合、床はオフホワイトで壁も明るい白、天井は高めで窓も大きいので、

全体的に明るく開放感のある雰囲気です。

床や壁の次に広い面積を占めるのが窓でしたので、部屋の雰囲気を左右するのは

窓に付随するカーテン。

まずそれぞれの部屋の雰囲気をどうしようか考え、一番広いリビングは

明るく安らげる雰囲気に、寝室はさわやかで落ち着ける雰囲気に。

主人の部屋は涼しげで静かな雰囲気に、

私の部屋は暖かくかわいらしい雰囲気にしようと決めました。

ここで一般的な色のイメージを挙げると

■ 赤     情熱、エネルギー、興奮、怒り、生命など

■ オレンジ  あたたかさ、新鮮、若々しい、陽気など

■ 黄     注意、希望、明るさ、さわやかなど

■ 緑     自然、生命、癒し、安らぎなど

■ 青     幸福、静寂、憂鬱、高貴、さわやか、涼しいなど

■ 紫     高貴、神秘、気品など

■ ピンク   愛情、女性らしさ、柔軟さ、やさしさ、かわいいなど

■ 茶色    古風、落ち着き、素朴、地味、和など

□ 白     純粋、平和、清潔、無垢、潔白など

■ グレー   曖昧、不安、平凡など

■ 黒     暗黒、重厚、死、厳粛など

                     ( a Design Spotより引用 )

これらのイメージを踏まえていざお店へ!

お店へ行くと数十種類の色と柄のカーテンがずらり。

たくさんあって目移りしてしまいそうでしたが、予定していたイメージに合わせて、

色だけでは表現できない部分は柄に頼りながら選んでいきました。

実際に選んだカーテンはこんな感じ。

リビング:明るく安らげる

                     寝室:さわやかで落ち着ける

            主人の部屋:涼しげで静か

                        私の部屋:暖かくかわいらしい

こんな感じになりました。(私としては満足いく仕上がり)

 

今回カーテンをかけた後、それらの色に囲まれ生活していると色の

イメージが作り上げる雰囲気に気持ちも影響されていることに気づきました。

これは色が人の心や体・五感に与える刺激・影響であることが分かります。

 

ここで、カラーセラピー・色彩療法というものについてですが、

色が与えるやさしい刺激・影響を利用した癒し・ヒーリングのことをいいます。

例えば緑を見て安らいだ気持ちになったり、赤いものを見て活動的になったり。

人に対してこれらのヒーリング効果を利用したものを特にカラーセラピーと呼びます。

 

これなら簡単に日常生活に活用することができ、それぞれの色の様々な効果を

得ることができます。

今回実際に私が体感した事の他に、毎日選ぶ洋服や小物の“色”にも期待できます。

そんな風に考えると毎日の洋服選びなど、ひとつの楽しみになります。

 

例えば冷静に物事に対処したいときには、青いものを見たり、

優しさをアピールしたいときはピンクを身に着けたり…など、

それらの効果を得たいときに活用してみてはいかがでしょうか。

 

実際に利用されているものでは、スポーツ選手などで気分を高揚させたいときには

ユニフォームなどによく赤が用いられるのを目にしますし、

病院の受付等では患者さんに安らいでもらうためにうすいピンクやグリーンの

小物が用いられたり、また明るさを強調したいために

黄色い小物が用いられているのを目にします。

 

日常で用いられている色や自然の色を見て、

ぜひ色のヒーリング効果を実感してみてください。

→ 生姜湯万歳!

僕は昔から胃腸が弱い。もちまえの心配性な性格が胃酸の分泌を促進しているのは、既に鳳優会のスタッフ皆知るところである。したがって、緊急のコールがかかってきた時など、事務の報告には“枕ことば”がつくことがある。

“先生、胃に穴が開くかもしれませんが、○〇さんの容体が・・・”

といった具合だ。

 そんな僕は、実は下戸で酒も飲めないし、コーヒーを飲んでも胃が痛くなる。さらに最近は、緑茶を飲んでさえ心窩部に痛みが・・・。

 ここ半年はお茶の代わりに白湯を飲んでいたのだが、胃痛軽減の代償は、何と味気ないティータイムであるかということ。

 ところが、最近、素晴らしい飲み物を発見し、病みつきになっている。それは、たまたま頂いた“生姜湯“!

一仕事終えてクリニックに帰還したおり、生姜湯一服。ホッとため息が出る癒し力だ。しかも、手足はポカポカ温まるし、なんとなく元気が出てくる感じもする。胃痛は勿論出ない。

 

★ 頂いた生姜湯のもとは、なにやら高級そうでした・・・★

生姜は漢方としても製剤化されており、胃腸を活発にする、下痢に効く、食欲増進、吐き気しゃっくり止め、神経痛、関節痛、のぼせ止め、感冒改善、血清脂質の改善・・・といった効能が記載されている(エビデンスは調べていませんが・・・)。効果を及ぼす物質については、生姜に含有するジンゲロールやショウガオールといった化学物質が研究されているようだ。

 患者さんにも、冷え性などで困っている方にはちょっと勧めてみようかなともかんがえているが、ここで薬物との相互作用はどうしても考えておかねばならない。調べたところによると、特に相互作用を及ぼす薬剤は見つからなかった。いろいろな薬剤と飲み合わせの悪い、血栓予防のワーファリンとも相互作用はないとのこと。また、妊婦への影響は常用量では心配いらず、つわりに効くといった記載もあった。ただし、高容量では何が起こるか分からないので注意はすべきである。大量服用では、出血傾向がでる可能性もあるとのこと。

 昔、お酢療法がはやった時に、お酢を1本飲んで血を吐いて救急センターに担ぎ込まれた患者がいたが、何でも適量は基本ですね。

 さて作り方ですが、こだわりでいろんな方法があるようです。僕は面倒くさがりなので、一番簡単な方法をご紹介。

①生姜をすりおろし、茶こしでしぼり汁を抽出。

②好みの濃度にお湯を注ぐ

③蜂蜜を投下

④飲む

以上

 

夏場の冷房で手足が冷え切ってしまった時や

室内と室外の温度差で少しだるさを覚えたりする時などにいかがですか?

生姜湯、おすすめです。



→ 映画の中の神経疾患2

- 毎回、映画の中の神経疾患について取り上げてみます -

  2回目は「レナードの朝」(1990年)です。

 この映画はロバート・デ・ニーロとロビン・ウイリアムズが主演しており、有名な映画なので、みられた方も多い作品と思います。

 あらすじはロビン・ウイリアムズ扮するセイヤー医師が、嗜眠性脳炎によりパーキンソン症候群になり、長年寝たきりで無反応だったロバート・デ・ニーロ扮するレナードに、パーキンソン病の治療薬であるL-Dopa(レボドパ)を投与すると、自由に歩きまわれるほど劇的に良くなりました。そして、同じ病棟の同様の患者さんたちにもL-Dopaは使用され、皆、普通の生活ができるほどに回復します。ところが、そのうちレナードにL-Dopaの効果がなくなってきます。薬を増量していきますが、運動症状の改善効果より、その副作用による不随意運動(自分の意思でコントロールできない運動)が増強していきます。そして、最後にはレナードを含め皆、元のように寝たきりになったり無反応の生活に戻ってしまいます。レナードたちが目覚めたのは、ひと夏の間だけでした。

 原作は医師でもあるオリヴァー・サックスによるノンフィクション作品で、レナードは20人の患者の1人として記載されています。

 さて、レナードの原因疾患である嗜眠性脳炎とは、エコノモ脳炎(Economo’s encephalitis)といわれ、1916年から約10年間全世界的に流行した脳炎ですが、その後1930年以降はほとんど発症を報告されていない不思議な病気です。亡くなった方も多かったようですが、この脳炎になったあと、早くて数週、遅いものでは20年以上経過して、このレナードのようにパーキンソン症状が発症しました。このように脳炎後にパーキンソン症状が出現するものを脳炎後パーキンソン症候群と呼びます。

 では、パーキンソン症候群とは何かというと、症状がパーキンソン病と類似していますが、パーキンソン病ではなく、何か他の原因で起きている場合に症候群とされます。すなわち、パーキンソン病は神経伝達物質であるドーパミンが、原因はわかっていませんが枯渇してしまう病気です。そのためドーパミンの材料となるL-Dopaを使用すると劇的に症状の改善をみることができます。しかし、パーキンソン症候群は決してドーパミンが足らないというわけではないため、軽度の改善や、このレナードのように一時的な改善がみられるにとどまります。運動機能の改善を期待して、L-Dopaの増量を行うと、レナードのように精神的興奮や幻覚、ジスキネジアと呼ばれる体中が不規則に動いてしまう不随意運動が現れてしまいます。

 パーキンソン病には代表的3つの症状(3大徴候)があります。振戦(手足が小刻みに規則正しく振るえること)、筋強剛(筋固縮ともいわれ、体中が硬くなること)、無動(動きが少なくなったり、止まったりすること)です。脳炎後パーキンソン症候群には振戦はやや少なく、眼の症状を伴うことが多いとされています。また映画の後半でみられた「注視発作」という発作的に眼球が上を向く症状を伴うことが多いとされており、その発作中顔面の痙攣や、レナードのようにアテトーゼ運動と呼ばれる手足突っ張らせるような不随意運動を伴うようです。

 映画の中でレナードだけではなく、他の患者さんにみられた幾つか注目すべき症状があります。ルーシーがホールの床の模様のある部位は歩けますが、模様のない場所に来ると足が止まってしまいます。そしてセイヤー医師が床に模様を書き足すと、また歩けるようになります。これはしばしばパーキンソン病患者さんにも同様の症状がみられ、矛盾性運動(kinesie paradoxale)と呼ばれ、何もないところでは足が出なくて歩けないのですが、目の前に障害物を出すと、それを越えるように足がすいすいと出て歩けるようになる変わった症状です。そしてルーシーが落ちた眼鏡を手でつかんでいたり、皆がボールを投げるとすばやくキャッチする場面がありますが、これも先ほどの矛盾性運動の一種ではないかと考えられています。私もパーキンソン病やパーキンソン症候群の患者さんにやってみますが、本当に奇妙な光景です。しかしリハビリには使えそうですね。

 脳神経内科医は患者さんの症状や徴候から病気を分析することが多いので、レナードを演じたロバート・デ・ニーロはもとより、他の患者さんを演じた俳優の演技に眼がいってしまいますが、その演技力には唸るものがありますね。

→ 夏祭り

7月連休『海の日』を境に夏祭りが各地域で行われているかと思います。
お祭りは地域ごとに意味を持って行われている事はご存知でしたか?
先日三浦半島に行った際に行われていたお祭りが、天狗がいたり、お面をかぶったりと、お祭りでは見掛けない
光景が広がっていました。祭りって、そもそも何だろ??、興味の虫がウズウズと・・・
ここで調べたプチ雑学をご紹介したいと思います。

【雑学・・・祭りの意味】(yahoo辞書、Wikipedia)
神仏・祖先を祀ること。特定の日を選んで、身を清め、供物をささげて祈願・感謝・慰霊などを行う。
英語訳ではcarnival(カーニバル)、festival(フェスティバル)。カーニバルの直訳は謝肉祭。
謝肉祭とはキリスト復活祭前に四旬節(食事節制と祝宴自粛)という期間があり、その期間以前に行う
仮装やパレードなどの祭事。用は、断食前のドンチャン騒ぎみたいなもののよう。
そして、フェスティバルは宗教的な祭りや商業的な催しもの。伝統的でないもの含めてのドンチャン騒ぎ。
お客が参加するのがカーニバル、お客が見物するのがフェスティバルと分かれるらしい。
となると、祭りはフェスとカーニバルが結合しているものではないかと思うが、見当違いなのか・・・。

話は大分反れましたが、添付写真の三浦半島でのお祭りの意味たるものとは。
正式名『海南神社夏の大祭』といい、昔、漁業導入や文化・福祉に力を入れた藤原資盈が祀られた
のが始まりとなり、海難防止・交通安全の神として親しまれ、現在は食の神、病気・疫病の神、
七福神も祀られ商売繁盛や無病息災にも御利益があると言われている。

この祭りで、一気に御利益が賜れるようである。

いろいろとご紹介しましたが、やはり三浦半島一押しなのが漁港ならではのマグロ様!
海鮮丼、づけ丼、三色丼・・・と大通りから小道まで充実した店構え。
私はづけ丼を食し幸せ三昧でした。

結果、花より団子。

皆さまも今年の夏を楽しんでください!!

    

→ 我が家の園芸療法

以前、仕事の関係で東京農業大学の浅野教授とお会いする機会があり、勉強会にも参加させていただいたことがある。浅野教授は園芸療法の研究者であり、21世紀はミリューセラピーの時代であるという。

ミリューとは、人を取り巻く空間であり、「生きられる風景」を構成する要素である。人は必ずしも明るい風景ばかりを好むわけではなく、生きられる風景はそれぞれに違う。癒しと緑の関係を探り、風景が人を包み込み癒す積極的な治療媒体として、大きな力をもつという。

 

ストレスの多い現代社会で、緑の空間に身を置くことで癒される。葉と葉の間から見える青い空が世界の大きさを感じさせてくれる。私たちも身近な生活の中で、風景とともに生きていることを感じることも多いです。

園芸療法は、作業によるリハビリテーションというだけでなく、緑の中に身を置くことにより、その葉の重なり合う音や、匂い、木漏れ日の眩しさなど五感を刺激する。そこに生命の息吹を感じ自らの生きる力を増幅させのである。
浅野教授いわく、公園や施設の庭造りの中で、「歩きやすい庭園を造るより、そこまで歩いてみたいという気持ちにさせる庭園を造りたい。身体の中から”歩こう””歩いてみたい”という気持ちになることがリハビリを効果的にさせる。」という言葉が忘れられない。

 

ということで・・・、私自身も自宅で野菜を育てています(プランター菜園!)。
今回は、ピーマンとなすの苗を近所の畑から分けてもらって、さっそく植え替えてみました。

栽培開始から約2週間、なんと”なす”の花が咲きました!!

さらに、その3日後にピーマンの小さな小さな実(!?)を発見。

 

 がぜん家族中が世話に力が入ってきました。娘は2日おきに米のとぎ汁を上げるようになり、インターネットで栽培方法の研究にも熱が入る始末。肥料を入れるタイミングは、支柱の位置はこれでいいのか、いちいち講釈してくれます。

「早く、食べたいね」「味噌で炒めようか」・・・。我が家の家族は、五感というより、”食欲”という欲求が刺激されっぱなしで、まだ見ぬ収穫物の大きさが頭の中で膨らむ一方です。

なるほど、生きる力が湧いてきているのは確かで、「これも園芸療法か・・・」。
植物の力は偉大です。

 

我が家の「なすぴー」は、今日も元気です。
実がなったら、またご報告できると思います(あまりに小さい実の場合は辞退いたします・・・)。

→ トマト日記。

30歳になって1ヶ月ほどたちました。

節目なので何かはじめようと思い・・・・

まずは好き嫌いを直そうとキライな食べ物を食べ始めました・・(>_<)

私はトマトが大キライです。

なので、トマトを食べ始めてちょうど1ヶ月でもあります。

食わず嫌いなのかと思っていたのですが・・・

食べたらやっぱりおいしくなくて・・(T_T)

生トマトはやはり苦手なので、煮込んでみたり、いろいろ試行錯誤中です。

最近、リゾットを作ってみたら・・・

なかなかおいしくて、今一番お気に入りの食べ方です。

トマトに含まれるリコピンの効能とかあまり知らなかったのですが・・・・

美白効果もあるとか(^◇^)

30年間、おそらくほとんどリコピンを体内に取り入れていないうえに、

学生のころ太陽と仲良くなりすぎて、お肌はソバカスとシミでいっぱいです。

少しは効果があるのかと思い、まだおいしいとは思えてないのですが、

がんばって食べています・・

誰かおいしい食べ方を教えてください(- -)

美肌とトマトLOVEの日が来ることを願って今日もトマトを食べます(^-^)

→ まぬけな医学生のころの小話

かつて僕は、トレンディードラマに登場するようなかっこいい医学生ではなかった。毎日同じようなTシャツにジーパン、頭ぼさぼさ、慢性的な寝不足で目蓋は半開き、かなりかっこ悪かったかもしれない。愛車はポエルシェ、ではなく、商店街のくじで当たった自転車、さらに、商店街に面する安アパートは荒れ放題、散乱した教科書の狭間には、液状化したバナナがトロピカルな腐臭を放ったりしていた。そんなさえない僕が、医学書に載っていない現象を大発見した。

 

 ある日、左の頬に、湿疹が出現。毛包一致性の丘疹、膿疱が多発、集簇し、一部痛みを伴う部分もあった。”尋常性座瘡”いわゆる、ニキビだ。青春のシンボルと診断、経過観察とし、自然軽快。しかし、数日して、反対の右側の頬に、同様の多発ニキビが出現した。これも、経過観察、軽快した。ところが、またまた数日して、また逆サイドの右頬に、同様のニキビが・・・!5回ほど同様の症状を繰り返すうちに、やや不安になってきた。

 

“ 本当にニキビなのであろうか?? ”

 

買ったばかりの皮膚科の教科書をずいぶんめくってもみたが、やはりニキビ以外の何物でもなさそうだった。日を追うごとに頬のニキビは、こめかみや顎まで進展、数日で改善するものの、1回1回の症状は悪化していった。

では、なぜ、左右の頬に交代性にニキビが発症するのであろうか?体質的な変化なら、左右同じように湿疹ができると教科書で読んだ。そこで、検討を重ねるうちにある事に気づいた。

右を向いて寝た日には右の頬に、左を向いて寝た日には左の頬にニキビが出来る傾向がある。すなわち、

 

“ 下にした側の頬にニキビが発生するのだ! ”

 

右を向いて寝た日には、ニキビの原因となる脂が右の顔に沈殿し、ニキビが発症するに違いない!逆も然り!さらに突っ込んで言えば、ニキビの発症分布には、重力が関係するのでは!皮膚科の授業で教授に質問してみようかな!

 

そんな大発見を彼女に得意げに話してみたところ、おもむろに彼女はため息をつき、枕カバーを洗濯し始めた。黒ずんだ枕はせっけんの香りのするそれに生まれ変わり、以後頬のニキビが出現することはなくなった・・・

             清潔は・・・大事だ・・・

→ おじいちゃんとオセロ

先日祖父とオセロをしました。

 

祖父は、九州で大工をしていましたが、慢性腎不全や認知症が徐々に進行し、祖母1人での介護は困難となり、昨年東京に呼び寄せました。

 

大きなオセロ盤で、祖父がクロ、私がシロ。

しかし、なぜか途中で、祖父がシロで、私がクロになっていたり…。

将棋と間違えて、自分の番になると一つ置いて、いくつか持って行ってしまったり…。

自尊心を傷つけないように、かつ、軌道修正しつつと、孫としても何かと大変でした。

気を使いつつやっているうちに、私の負け…。

祖父はちょっぴり嬉しそうでした♪

デイサービスや施設などでも、ゲームや塗り絵をやっている光景を目にします。

実際に、認知症の予防として、アメリカ・アルツハイマー病協会では、「脳を守る10の方法」という指針が提唱されており、その中に「心のジョギングを」という項目があります。

いろいろなことに関心を持って脳を活き活きさせると脳細胞とそのつながりの余裕が生まれるので、読む・書く・ゲームをするなど新しいことを学ぶことが大事であるとされています。

ありのままを受け止めながら、新しいことで脳を活性化かせる。

毎日認知症患者と接している家族からすると、なかなかそのようなゆとりが持てないかもしれませんが、時々ゲームなど一緒にして、コミュニケーションを図ってみるのも良いかもしれません。

 

 『脳を守る10の方法』(アメリカ・アルツハイマー病協会)

 

1.頭が第一 ⇒ 健康は脳からです。

2.脳の健康は心臓から ⇒ 心臓に良いことは脳にも良い。

1.身体の値のチェックを ⇒ 体重・血圧・コレステロール・血糖をチェックして

               良くしよう。

2.脳に栄養を ⇒ 指導が少なく、ビタミンEなどの多い食品を摂ろう。

3.体を動かす ⇒ 身体の運動は血液の流れを良くし、脳細胞を刺激することにな

          る。1日30分歩くなど心と体を活発にしよう。

6.心のジョギングを ⇒ いろいろなことに関心を持って脳を活き活きさせると脳細胞とそのつながりの余裕が生まれるので、読む・書く・ゲームをするなど新しいことを学ぼう。

7.他人とのつながりを ⇒ 身体と心と社会の3つの要素を組み合わせた余暇活動は、認知症を防ぐ最も良い方法。

8.頭のケガをしない ⇒ 頭のケガをしないように注意しよう。

9.健康な習慣を ⇒ タバコをやめ、飲み過ぎないように注意しよう。

10.前向きに考え今日から始めよう ⇒ 明日のあなたを守るために、今日からできることをしよう。

 

→ 映画の中の神経疾患

- 毎回、映画の中の神経疾患について取り上げてみます -

まず第1回は映画「潜水服は蝶の夢を見る」(2007)です。

この映画は、自由奔放な雑誌ELLEの編集長ジャン=ドミニクが冒頭、病院のベッドの上で目覚めるシーンから始まります。周りの人が見え、言っていることは聞こえ理解できますが、体の自由が奪われ、声を出すこともできません。唯一できるのは左眼を動かすことと瞬きすることです(このあと右眼は閉眼できないため角膜を保護の目的で瞼を縫いつけられてしまいます)。そして言語療法士の訓練のもと、左眼だけで文字通りアイコンタクトで周囲の人たちとコミュニケーションをとっていき、周囲の人の協力で自分の現状を一冊の本にするというお話しです。ジャン=ドミニクは潜水服を着たような不自由な体ですが、自分の記憶と想像力で蝶のように飛びまわって楽しんで時間を過ごしていきます。

ところで、この主人公の病気は、脳血管障害による「locked-in症候群(閉じ込め症候群)」だと映画の冒頭で医師の説明があります。この症候群はPlum and Posner(1966)により始めて記載された症候群であり、大脳と脊髄をつなぐ脳幹部の、なかでも橋の腹側(前側)に脳梗塞などの脳血管障害(そのほか外傷や腫瘍、脳炎でも起きる可能性があり)が起きたときに現れる稀な症状です。手足が動かないため、一見意識がないように周りからは思われますが、本人は意識が清明で、ただ単にそれを伝える方法がない状態なのです。橋の背側(後ろ側)が障害されていないため、他の随意運動をする神経が障害されていても、眼や瞼を動かす機能が残っている場合があり、この映画でも瞼を閉じることで他人とのコミュニケーションがとれています。

この主人公は、現代版「モンテクリスト伯」を書く約束を出版社としている最中に脳卒中発作を起こしましたが、結局その出版社からはこの映画の原作「潜水服は蝶の夢を見る」を出版することになりました。映画の途中で主人公がA・デュマの著書「モンテクリスト伯」を手に入れ、その開いたページにはノワルティ・ドゥ・ヴィルフォールという人物のことが挿絵入りで記載されています。この人物は病気によって手足の自由が奪われ、自分の意思を伝える手段として瞬きや眼を上下に動かして他人とのコミュニケーションを行います。そうですこの症状はまさにlocked-in症候群なのです。そのためlocked-in症候群は別名「モンテクリスト伯症候群」とも呼ばれています。この著書は医学的に報告される100年も以前に書かれたものなので、著者の観察力のすばらしさが伺われます。多分この偶然は映画の演出ではないかと思われます。