在宅医療とは

在宅医療とは、継続的な医療が必要だが通院困難な方が、ご自宅で受ける医療です。住み慣れたご自宅で療養するため、生活の質の向上が期待できますが、そのためには自宅に訪問して診療をする医師が不可欠となります。そのような医師に心当たりがない場合は、当院へご相談ください。また、かかりつけの医師や保健所、ケアマネジャーへ当院をお伝えください。

在宅医療の特長

医師が訪問しご自宅で医療サービスを受けることができます
複数の診療科の医師により、専門性の高い医療サービスを提供しています。また、心電図や血液検査、血ガス測定などの検査機器をそろえており、様々な検査を自宅にて行うことができます。
24時間体制
24時間対応できる体制、必要に応じ、曜日や時間を問わず往診いたします。
他の関係機関と連携
  • 介護保険適用の場合、「居宅療養管理指導」を行います。患者さん・ご家族に対して、介護サービスを利用する上でのアドバイスをしたり、ケアマネジャーとの連絡、連携をします。
  • 地域の訪問看護ステーションやヘルパーステーション、行政等と連携し、より安心してご自宅で過ごせるようお手伝いいたします。
  • ご入院や検査が必要な緊急時は、近隣の病院と連携し速やかに対応できるよう、サポート致します。
  • 薬局に行けない方には地域の薬局と連携し、お薬のお届け等の手配をいたします。
患者さんの環境を把握
ご自宅に訪問し診察させていただくため、患者さんごとの環境を把握し、柔軟かつ適切なアドバイスができます。
ご自宅で各種検査を行うことができます
携帯型の検査機器を各種用意していますので、ご自宅で血液、尿などの検査はもちろん、必要に応じた検査が可能です。
※CTやMRI、レントゲンなどの検査は連携先の病院で行っていただくことになります。
ご自宅でワクチン接種を行うことができます
肺炎球菌ワクチンや、インフルエンザワクチン予防接種など、ご自宅で受けることができます。
訪問回数
原則として月2回(隔週)の訪問をいたします。また、必要に応じて往診を行います。

受診対象となる患者さん

神経難病、寝たきりなどで通院が困難な方
癌などで自宅療養されている方
※受診されている患者さんの主な症状は、
脳血管障害後遺症、多発性脳梗塞、認知症、老人性運動器疾患および関節リウマチ、神経難病、悪性腫瘍末期、慢性呼吸不全、慢性心不全、慢性腎不全など、合併症を伴った糖尿病、褥瘡、老衰などになります。

当クリニックで行える処置・管理

人工呼吸器 数時間から数年と言う長い時間に渡って呼吸を人工的に行う為の医療機器のこと。人工呼吸器は主として気管切開を行なって使用します。 詳しい説明を見る
【人工呼吸器の詳細】

適応
  • 呼吸不全に陥った場合に対象となる。呼吸不全に陥る可能性のある疾患は以下になります。
    1. 神経疾患
      中枢神経疾患または脳脊髄疾患
    2. 神経筋疾患
      末梢神経、筋疾患
長所・短所
  • 長所
    1. 生命維持に不可欠な、呼吸が確保できない患者が、呼吸を維持することができる。
    2. 吸引が行ないやすい。
  • 短所
    1. 会話が困難。
    2. 介護者の負担が大きい。
往診で行なうこと
  • 人工呼吸器のトラブルの有無の確認。
  • 合併症の有無の確認。
  • 気管カニューレの交換。

気管切開部の処置 呼吸困難を救う目的で気管とその上部の皮膚を切開して気管にカニューレを挿入すること。 詳しい説明を見る
【気管切開部の処置の詳細】

適応
  • いろいろな原因によって気管より上部の閉塞が起きた場合。
  • 気管内に誤嚥を起こしやすい場合。
  • 呼吸不全。
  • 頚部損傷の恐れがあり頚部を進展できない場合。
長所・短所
  • 長所
    1. 痰がとれやすい。
    2. 呼吸がしやすい。
    3. 人工呼吸器の装着が簡単。
    4. 誤嚥がしにくい。
  • 短所
    1. 発声ができない。
    2. 気管が露出しているため感染のリスクが高い。
    3. 気管を刺激するため分泌物が増える。
    4. 頚部の違和感、交換時の痛みを伴う。
往診で行なうこと
  • 定期的にカニューレ交換を施行。
  • 感染の有無の確認・・熱発の有無、痰の性状、気切口の周囲の皮膚状態。

在宅酸素十分な酸素を取り込めない場合に機械で酸素を作って酸素を吸入すること。 詳しい説明を見る
適応
  • 吸う力や吐く力には問題がないが、肺炎や肺がん、心不全などで酸素の取り込みが悪くなった場合に使用。
長所・短所
  • 長所
    1. 装着は簡単。
    2. 息苦しさは軽減できるため、活動性が拡大できる。
  • 短所
    1. 室内設置に場所をとる。
    2. 火気厳禁。
往診で行なうこと
  • 機械の確認。
  • 使用している酸素の量が的確かの確認。


点滴(末梢点滴)直接腕などの血管に針を入れて水分または薬を入れること。 詳しい説明を見る
適応
  • 脱水の補正が必要な場合。
長所・短所
  • 長所
    1. 口から食べれない人でも水分や薬を入れることができる。
  • 短所
    1. 静脈炎を起こす。
往診で行うこと
  • 点滴を入れる。漏れてないかの確認。

中心静脈栄養心臓に近い太い血管に管を入れて栄養を入れること。 詳しい説明を見る
適応
  • 経口摂取が困難な場合。
  • 消化管系の癌がある場合。
長所と短所
長所

  • 高いカロリーの点滴を入れることができる。

短所

  • 末梢点滴に比べて感染のリスクがある。
往診で行うこと
  • 点滴の管理・感染の有無の確認。

胃ろう開腹せずに内視鏡を使ってお腹に小さな口を作る手術をして、その口にチューブを取り付け、直接胃に栄養剤を注入する。 詳しい説明を見る
適応
  • 脳梗塞や認知症などで自発的に摂取できない場合
  • 嚥下障害のある場合
  • 長期に成分栄養を必要とする炎症性腸疾患
  • 幽門狭窄や上部小腸閉塞などで食べたものを嘔吐したり、何も食べなくても胃液が滞ってもどしてしまう場合
長所・短所
  • 長所
    1. 手術が簡単である
    2. 鼻からのチューブと違って違和感が少ない
    3. 胃ろうは喉を通過しないため嚥下訓練が行ないやすい
    4. 交換時期も長いため管理がしやすい
    5. 服を着れば外見からも全く分からない
  • 短所
    1. コストがかかる
    2. 術後の合併症
往診で行なうこと
  • 皮膚トラブルのチェック~・ろう孔周囲の感染の有無
    不良肉芽の有無
  • 固定液の確認
  • 定期的な交換~主にバルーン式
  • 家族指導

経鼻経管栄養食事の経口摂取が不可能あるいは不十分な場合に、鼻から胃に通したチューブを用いて栄養補給をする方法 詳しい説明を見る

膀胱留置カテーテル直接、皮膚から膀胱に穴を開けて管を入れ尿を出す方法。 詳しい説明を見る
適応
  • 尿道の閉塞があり、尿道口からのカテーテル挿入が困難な場合
長所・短所
  • 長所
    1. 尿道カテーテルに比べて交換時の苦痛が少なく、違和感も少ない。
  • 短所
    1. カテーテルの屈曲、圧迫、抜けなどによるトラブル発生。
    2. ろう孔部のただれ、感染。
往診で行なうこと
  • 感染の有無の確認

人工肛門腸の手術によってお腹に新しく作られた便の排泄口のこと。 詳しい説明を見る
適応
  • 消化管のストーマの適応としては、一般的には直腸がんがもっとも多い。
長所・短所
  • 長所
    1. 排泄物の観察は行いやすい。
    2. 人工肛門部に触れても痛み・違和感はない。
  • 短所
    1. 人工肛門に必要な装具の取り付け方を覚えなくてはいけない。
    2. 装具による皮膚トラブルが起こりやすい。
往診で行なうこと
  • 便の性状観察、必要時排便コントロール。
  • 皮膚トラブルの有無の確認。

褥瘡
寝たり座ったりした状態の時いつも同じところに一定以上の圧力が持続的に加わることによって、皮膚に障害を起こした状態。

麻薬による疼痛管理在宅ターミナルケア
住み慣れた自宅において、死を前にした患者さんとその家族に、出来うる範囲の中で「よりよく生きること」をサポート。

輸血・その他
ご相談ください。