1ヶ月の研修を終えて

はじめまして、こんにちは。

10月の1か月間、主に城南ホームケアクリニックで地域医療の

研修をさせていただいております2年目の研修医釋尾(しゃくお)です。

私は、ここのブログを書かれている研修医の方々と一緒に

普段は大学の付属病院で研修をしています。

 

3月の地震の影響で、4月に決まっていた地域医療の病院の受け入れができなくなり、

好きなところをもう一度選択していいといわれ、

今回こちらのホームクリニックでお世話になることになりました。

私がここを選択したのはここで1か月間研修をさせていただいた

研修医の方々の評判がよかったからです。

 

評判通り、荏原、城南ともに院長先生方をはじめ、

スタッフの方々もとても優しく、ここにして正解でした。

 

「訪問診療」

普段大学病院にいる私はこの「訪問診療」の大切さを忘れていました。

日々一緒に同行させていただく中で、これこそ医療の原点、

そしてむしろ最先端だと感じました。

もちろん大学病院のように高度な医療機器がそろっていて、

最新の治療を行うことも大切な医療の形の一つで、最先端の医療だと思います。

しかし、末期がんの患者さんなど最期を自宅で迎えたいと望んでいる方たちが、

病院で亡くなることの方が多い現状の中、日々在宅、訪問診療を基盤に

医療を行っているこのホームクリニックはある意味最先端だといえます。

 

本来の医療というものは患者さん、ご家族が中心となり、

私たち医療者はお手伝いをするというのが理想の形だからです。

 

私の母方の祖母は直腸がん、祖父はアルコール性肝硬変で最期は病院で亡くなりました。

祖母が亡くなったのは私が生まれてすぐの時だったので覚えていませんが、

祖父が亡くなったのは私が大学1年生の時でした。

 

酒とゴルフと旅行が大好きな祖父は私が病院にお見舞いに行く度に

「家に帰りたい。帰るんだ。」とそればかり口にしており、

無理を言って外泊させてもらっていました。

私は医師になってから出会った患者さんが

「退院したい。早く家に帰りたい。お願い、帰らしてくれ。」と

訴えるのを聞くたびに祖父のことを思い出します。

 

誰もが皆入院はしたくありません。家に帰りたいのです。

もちろん社会的、経済的理由から在宅医療という形がとれずに

入院せざるを得ない場合もあり、すべてを在宅医療へというふうにはいきません。

しかし、身体的理由で通院困難な患者さんにとって、

在宅医療、「訪問診療」は必要不可欠です。

 

この医療の理想を追求し、現実に変え、

広めていくという素敵な姿勢のホームクリニックで1か月間、勉強させていただき、

これからの自分の糧になると思います。

 

最後に、長谷川先生をはじめとします先生方、スタッフの方々、

研修に協力していただいた患者さん、ご家族の方、

ここで出会ったすべての方に感謝します。

 

本当にありがとうございました。