「認知症」について

こんにちは!あすかホームケアクリニックの黒木です。

今日は「認知症」についてです。脳神経内科を専門にしていることもあり、当院には日々数多くの認知症についての相談が寄せられます。

現在、65歳以上の約16%が認知症であると推計されており、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされております。その有病率は年齢とともに急峻に高まることも知られており、「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されており、深刻な社会問題となっています。

在宅医療の現場でも認知症の患者様はたくさんいらっしゃり、在宅医療になる患者さんの半数は認知症が原因とも言われています。
中にはご家族もあまり気にせず、「年相応に」といって未加療で過ごされている方もいますが、認知症の進行によって急激にADLが低下したり、せん妄が強くなったりしてご家族が困ってしまうケースもあります。

認知症とは、「何らかの脳の病的変化によって、認知機能が障害され、それによって日々の生活に支障があらわれた状態」と定義されており、「加齢による物忘れ」と「認知症」は区別できます。
例えば、朝ご飯のメニューの一部を忘れてしまうなどは物忘れの範疇ですが、食べた事自体を忘れてしまうのは認知症の可能性が高いです。また、もの忘れに対する自覚症状がない場合も認知症である可能性が高く、ご家族に指摘されて相談されるケースが多いです。

認知症の原因の約68%はアルツハイマー型認知症と言われており、20%はレビー小体型認知症、その他脳血管性認知症などが続きます。特に、アルツハイマー型認知症では、認知症を発症する15年以上前から脳内での変化が始まっていると言われており、徐々に進行してゆくことから早期発見、治療介入がとても大切です。
幻覚症状や暴力的な言動などで介護者やご家族を悩ませてしまうことも多く、それが原因で自宅で過ごすことを諦めてしまうケースもあります。

住み慣れたご自宅で、大切なご家族と長く安心して過ごしてゆくために、気になることがあればすぐに医療機関などに相談するようにしましょう。

P・S 私は趣味でコントラバスの演奏をしています。休日に気ままに練習したり、時々ジャズバーに出演したりしています。愛器は作者不明のドイツの楽器ですが、150年以上前に制作されたもので、深みのある乾いた木の音がとても気に入っています。

「認知症」について・投稿の挿入イメージ

人間も楽器も、ちゃんとメンテナンスをすれば永く健康に過ごせると思わせてくれますね!

あすかホームケアクリニック
院長 黒木卓馬

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