パーキンソン病治療デバイス「ヴィアレブ」について

こんにちは!あすかホームケアクリニックです。

今日は、パーキンソン病治療デバイス「ヴィアレブ」についてです。
パーキンソン病は進行性の神経変性疾患であり、その患者数は世界で約1,000万人、日本では20万人以上が治療を受けている最もメジャーな神経疾患のひとつです。手足のふるえや動作緩慢、筋肉のこわばり、さらには転倒リスクや認知機能の変化など、日常生活に大きな影響を及ぼします。在宅医療での診療機会も多く、当院にも多くの患者さんがいらっしゃいます。治療の中心は薬物療法ですが、進行に伴い内服薬だけでは症状コントロールが難しくなることも多く、治療に難渋するケースもあります。
お薬が効いている時間(オン時間)と効き目が切れる時間(オフ時間)が交互に訪れるオンオフ症状、お薬の効果の持続時間が短くなり日中に何度もオフとなってしまうウェアリングオフなどの症状に加え、身体がグネグネと動いてしまうジスキネジアという症状も目立ってくるケースもあります。

 

パーキンソン病の進行と運動合併症の発現

 

お薬を少量ずつ、1日何度も頻回に内服するという方法や深部脳刺激療法という手術によるデバイスの埋め込みをする方法などがありますが、内服の回数が増えると患者さん自身や介護者さんの負担も大きくなりますし、手術については適応基準に合致しなければならず、侵襲性も高いためハードルが高くなってしまいます。

ヴィアレブとは、レボドパ・カルビドパ水和物のゲル製剤を、専用のポンプを介して24時間持続的に皮下に投与するデバイス治療で従来の経口投与に比べ、血中濃度を安定させることができます。このため、ウェアリングオフやジスキネジアなどの運動合併症を軽減できる可能性があります。皮膚に留置した細い管(カニューレ)と薬液ポンプを使い、薬液を一定に保つことで安定した効果が期待でき、外科手術は不要です。
また、パーキンソン病には運動症状の他、不眠や気分変動、身体の痛みなど、様々な日運動症状があること知られており、お薬の血中濃度が安定することでこれらの症状も改善できることもあります。(N Engl J Med 2014)
もちろん、すべての症状を改善できる魔法の治療ではありませんので患者さんによって合う、合わないがありますが、手術が不要なため途中で中止することも可能です。ヴィアレブは在宅医療でも使用可能なデバイスで、当院でも使用している患者さんがいらっしゃいます。

あすかホームケアクリニックでは、在宅医療でもこういったデバイスを積極的に導入してゆくことで、安心して「その人らしい生活」を送ることの一助になると考えています。

 

気になる方はお気軽にご相談ください!

 

カニューレとヴァイアフユーザーポンプのイラスト

 

 

●訪問診療対応エリア●
北区・板橋区・豊島区全域
足立区・文京区・荒川区・練馬区・新宿区・川口市、戸田市の一部地域
あすかホームケアクリニック