第11夜 花粉症対策について

川口です。
そろそろ花粉症シーズンです。今回のテーマは花粉症対策についてです。

花粉症の原因植物は約60種類あると言われています。代表的なものとしてスギ、ブタクサ、ヒノキ、カモガヤ、シラカンバなど挙げられます。一般的にスギ花粉は1月下旬頃から飛び始めます。皆さん、毎年早め早めに対応していますよね?日々忙しく、早めに対応しようと思っていてもついつい忘れてしまいピークの時期になり病院に駆け込む方もいらっしゃるかと思います。

Q 花粉症?風邪?どちらの症状なの?

花粉症の症状は、風邪の症状に似ています。風邪なのか花粉症なのかわからないという方も多いと思います。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが花粉症の代表的な症状です。

くしゃみは一日に何回も立て続けに出ます。風邪では立て続けに何回も出る事は少ないです。鼻水は透明でサラッとしています。風邪では鼻水はネバネバ、黄色っぽく変わっていきます。鼻づまりは片側、ひどいと両側に認められ息苦しさを感じます。鼻づまりは風邪ではそこまでひどくならないですし、目のかゆみはほとんど認めません。

☆花粉症か風邪なのかわからない時は主治医に相談してみましょう!☆

Q 花粉症はなぜ起きるの?

花粉が目・鼻などから体内に侵入してくると、その花粉(異物)に反応するIgE 抗体というものがリンパ球から作られます。IgE 抗体は肥満細胞の表面に付着します。再び侵入してきた花粉がIgE 抗体に結合すると、肥満細胞からヒスタミンという化学物質が分泌され、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状が引き起こされます。

Q どのような薬を使うの?

症状の原因はヒスタミンですからヒスタミン受容体拮抗薬が主に使われます。古いタイプ(第1世代)と新しいタイプ(第2世代)に分けられます。一般的に第1世代は抗ヒスタミン剤、第2世代は抗アレルギー剤と呼ばれます。
抗ヒスタミン剤(第1世代)は服用後20~30分程度で効果が表れますが眠気や口の渇きなどの副作用があります。
抗アレルギー剤(第2世代)は効果が出るまでに1週間程度かかりますが副作用は少ないと言われています。

豆知識
抗ヒスタミン剤(第1世代)は、ヒスタミンが鼻や目のヒスタミン受容体に結合するのを防ぐヒスタミン受容体拮抗作用のみを持っています。
抗アレルギー剤(第2世代)は、ヒスタミン受容体拮抗作用以外に、肥満細胞からヒスタミンが出るのを抑えるヒスタミン遊離抑制作用を合わせ持っています。

☆まとめ☆
抗アレルギー剤(第2世代)の方が、抗ヒスタミン剤(第1世代)より副作用が少なく花粉症のように長い期間内服治療を必要とする場合には、抗アレルギー剤(第2世代)を使用する事が多いです。内服薬に加え点鼻薬、点眼薬を併用する事もあります。

さて、日々診療をしていますと治療以外でどういった点に気を付けたらいいかと質問されます。

☆帰宅したら上着は部屋に持ち込まない!
我が家では玄関のシュークローゼットにコート類はかけています。

☆掃除は掃除機と濡れ雑巾を用いて拭き掃除を大切に!
我が家ではブラーバ(床拭きロボット)で雑巾がけをしています。
花粉症対策 イメージ

☆緑茶を薦めています。
緑茶にはカテキン、ストリクチニンといったポリフェノールが含まれています。カテキンはお茶の苦み・渋み成分の元になっています。カテキン、ストリクチニンにはアレルギー症状を引き起こすヒスタミンが放出されるのを防ぐ作用があります!

豆知識
カテキンには体脂肪の燃焼、インフルエンザ予防、抗酸化作用、動脈硬化予防、高血圧予防、糖尿病予防、虫歯や口臭の予防などの効能があると言われています。

ただし効果が出るには約10杯近く飲む事が推奨されています。なかなか量的に多いので、あくまで治療補助としてこまめにお茶を摂取する事がいいのでしょうね!
花粉症対策以外にも上記の効能が期待されますので緑茶を積極的に取り入れてみてはいかがでしょう。緑茶にはリラックス作用、ストレス緩和の効能もあります。私も仕事の合間、食事中などに緑茶を飲んでいますよ!