第21夜 在宅酸素療法について ①

川口です。
少しずつ暖かくなり花粉に悩まされている方も多くなってきましたね。
今回のテーマは在宅酸素療法についてです。

 

Q:なぜ酸素吸入が必要なの?

酸素は生命維持に必要なエネルギー代謝に利用されます。しかし呼吸器疾患や心疾患などで慢性的に血液中の酸素が不足する事があります。

~酸素が不足すると~
・息切れが生じて運動不足や栄養不良(食事するのもつらい)につながります。ますまず呼吸筋や全身の筋力低下が生じ呼吸がしづらくなります。
今まで出来ていた事もできなくなり日常生活の維持が難しくなります。
・呼吸機能が低下し酸素が不足すると心臓にも負担がかかります。

 

Q:在宅酸素はどのような人が使うの?

COPD・間質性肺炎・肺結核後遺症などの慢性呼吸不全、肺高血圧症、慢性心不全、チアノーゼ型先天性心疾患、肺がん、神経筋疾患などが挙げられます。

~豆知識~
在宅酸素療法の事をHome Oxygen Therapy 頭文字をとってHOT(ホット)と呼んでいます。

 

Q:どんな機械なの?

在宅で使用するのは酸素濃縮器と液体酸素の2種類です。
酸素ボンベは外出時に使用します。

~酸素濃縮器~
空気の成分の約80%を占める窒素を吸着し酸素濃度90%以上の空気を作り出す装置です。最大7L/分までの流量を設定できます。

~液体酸素~
設置型の液体酸素供給装置に液体酸素が入っていて少しずつ気化させることで酸素を作り出します。外出時は子機に充填させて持ち運びます。

 

Q:他にはどのような機械が必要なの?

酸素を吸入する器具が必要です。器具を濃縮器やボンベに取り付けて使用します。

~鼻カニュラ~
鼻から酸素を吸入する為の器具です。装着するのが簡単で酸素を吸入しながら会話や食事が可能です。口呼吸や鼻閉塞にはお勧めできません。
6L/分以上の投与は推奨されていません。酸素ガスにより鼻粘膜が乾燥し傷つきやすくなります。実際は5L以下の使用が多いです。

~酸素マスク~
マスク内に呼気ガスが貯まらないように5L/分以上の流量で使用する事が推奨されています。

 

Q:鼻カニュラ、酸素マスク以外に器具はあるの?

リザーバーという器具がついたカニュラ、マスクがあります。
リザーバーは簡単に言うと酸素節約機能とイメージしてください。
呼気中に酸素がリザーバーに流れ込みます。リザーバーは膨れて酸素が蓄えられ、吸気でリザーバーはしぼみ通常の酸素に加え蓄えられていた酸素を吸う事が出来ます。

 
病院で使用する器具は他にもありますが在宅療養で使用する物品について取り上げました。
今回はここまでにします。
 
次回はもう少し詳しく説明していきます。
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