第18夜 PICC(ピック)カテーテルについて

川口です。
すっかり秋ですね。皆さん衣替えは終わりましたか?
今回のテーマはPiccカテーテル(ピックカテーテル)についてです。
Piccカテーテルは末梢挿入中心静脈カテーテルを意味しています。肘または上腕にある静脈から挿入します。
高カロリー点滴を行う為のカテーテルを体のどの部位から挿入するかという事です。前回説明した鎖骨下、鼠径部、頸部以外に腕の血管からカテーテルを挿入する事が可能です。

Piccカテーテル(ピックカテーテル)

 

Q:Piccカテーテルはどんな利点があるの?

カテーテル挿入時に気胸や血胸などの合併症が起こらないというメリットがあります。前回、中心静脈カテーテルを鎖骨下から挿入する時に気胸、血胸という合併症があると説明しました。
☆腕の比較的表在の静脈から挿入するので誤って動脈を刺すという危険性も少ないです☆
☆定期的なカテーテルの入れ替えは基本的には必要としないので何度も針で刺される苦痛がありません☆

適切に使用すると長期使用が可能です。

Q:どんなことに注意すればいいの?

カテーテルが体の外に出ているので何かに引っかけて抜けないように注意する必要があります。

Q:他にデメリットはあるの?

前回取り上げました中心静脈カテーテル同様に感染が挙げられます。
~感染を予防するには~
・カテーテル挿入部の発赤など皮膚トラブルが起きていないか確認。
・週に1回は挿入部の消毒処置を行う。
(訪問医や訪問看護師にお願いしましょう)

他には血栓が生じる可能性、カテーテルが閉塞して使用できなくなるなどが挙げられます。

Q:どうやってカテーテルを挿入するの?

エコーという機械を使って血管の場所、走行を確認して穿刺して挿入します。

Q:一度挿入したカテーテルはどれくらい使えるの??

感染など合併症を起こさない限りは長期間使用できると言われています。
実際に私の担当している患者さんは3年以上合併症も起こさずに使用できています。
~御家族、ヘルパーさんや訪問看護師さんをはじめとした医療スタッフが日々注意深く観察、処置をしていることで合併症を起こさずに長期しようできていると思います!~

さて今回はここまでにします。次回は中心静脈ポートについて取り上げます。
風邪が流行ってきましたね。私は子供と一緒にマヌカハニーを食べて風邪対策をしています。