排尿に関する病気|病気について

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病気について

排尿の問題は排尿障害と言われます。具体的な症状としては、トイレに行っても尿が出にくいまたは出ない、トイレの回数が多い、尿が漏れるといったものが主なものです。排尿障害の原因は様々で、患者さんの生活環境やADL(日常生活動作)によっても異なります。

男女共通の疾患

尿失禁
尿が自分の意志とは関係なく漏れてしまう状態です。60歳以上の50%以上の方に何らかの尿失禁があると言われており、約300万人以上いると言われています。
尿失禁は大きく腹圧性、切迫性、溢流性、機能性の4つに分けることができます。各々が重なり合うこともあります。
特に在宅医療の現場では認知症に伴う尿失禁が問題となることが多く見受けられますが、これは機能性尿失禁に当てはまることが多くあります。

腹圧性尿失禁 お腹に力を入れた時や咳をした時などに尿が漏れてしまう状態です。女性の尿失禁の最も多い問題です。骨盤臓器脱の項を参照
切迫性尿失禁 過活動膀胱の項を参照
溢流性尿失禁 膀胱に尿が溜まりすぎたために、尿が漏れ出てくる状態です。腎臓などにも影響が出てくるため、カテーテルによる尿の排泄が必要となります。
機能性尿失禁 膀胱などに何も異常がないのに漏らしてしまう場合を機能性尿失禁と呼びます。認知症の患者さんなどでは、排尿のパターンが理解できないために頻尿となったり、逆に漏らしてしまったりということを繰り返してしまいます。薬物では改善しない状態です。これを改善するためには認知行動療法と呼ばれる方法で、排尿のリズムをつける習慣を介護者の方と作っていくことが必要になります。
過活動膀胱(頻尿の一部)
何らかの原因で膀胱が敏感になった状態です。少量の尿が溜まっただけで尿意を感じ、トイレに駆け込まないとなりません。ひどいと尿を漏らしてしまうこともあります。
膀胱炎や膀胱結石などの膀胱の問題の他に、脳梗塞やパーキンソン病といった脳の障害でも引き起こされます。脳の障害がある場合には治りにくいと言われています。
明らかな原因が特定できない場合や脳の障害が原因の場合、基本的な治療は薬物療法になります。抗コリン薬といわれる薬を使用するのですが、膀胱の反応を鈍らせる作用があります。しかし、副作用も出やすく、口やのどが渇いたり、便秘や目の乾燥が起きることがあります。このため腸閉塞の既往のある方や緑内障をお持ちの方には使用できません。同様の効果が期待できかつ副作用が少ない薬としてベタニスという薬もあります。
原因がはっきりしている場合は、その原因が改善すれば頻尿の症状も落ち着きます。
夜間頻尿
夜間にトイレで何度も起きてしまう状態です。日中も同様に頻尿の場合には過活動膀胱など膀胱の問題が考えられます。
1日の尿の約3割以上が夜間に行く場合を夜間頻尿と言います。通常睡眠中はバソプレシンと呼ばれるホルモンが分泌され、尿量が抑えられています。この分泌が悪いと夜間も尿が通常通り作られてしまいます。特に夜間に水分を多く取りすぎていたり、夜間の血圧が高い方は尿が多くなる傾向になるので、頻尿となってしまいます。
これを改善するには排尿のパターンを確認し、生活習慣の改善いくことが重要です。それでも良くならない場合はバソプレシンを服用してもらうこともあります。
神経因性膀胱
脳や神経の異常で膀胱の機能が悪くなった状態です。通常、脳からは膀胱が収縮しないように指令が出ています。一定量膀胱に尿がたまるとその指令が抑えられ、膀胱が収縮します。それと同時に尿道括約筋が緩み排尿されます。このどこかで異常が起こると機能不全が生じます。脳などが障害されると、膀胱が収縮しないように出していた指令が出ず、過活動膀胱という状態になります。逆に糖尿病や脊柱管狭窄症などで末梢神経が障害されると膀胱が収縮しないため排尿しづらくなります。一部では膀胱は収縮するのに括約筋が緩まず排尿できない(排尿筋括約筋強調不全)という状態の場合もあります。
残念ながら有効な治療法はありませんが、いくつかの薬を併用して少しでも症状を緩和させるようにします。
しかし、残念ながら排尿できない場合は尿道カテーテルが必要になります
間質性膀胱炎
膀胱の間質とよばれるところが炎症を起こし膀胱が硬くなってしまう病気です。今の所明らかな原因はわかっておらず、難病に指定されています。これまでも鎮痛薬や抗アレルギー薬など様々な治療が試みられていますが、際立って有効なものはありません。
その中でも膀胱水威圧拡張は比較的有効性が高いと考えられています。
膀胱に生理食塩水を注入し、膀胱を拡張させる治療で、治療後6ヶ月程度は効果が期待できます。繰り返しの治療が必要になります。また健康保険での治療が可能な施設は限られており、どこでもできる治療ではありません。
尿道狭窄症
交通事故などの影響で尿道が狭くなってしまった状態です。狭窄がなくなれば正常に排尿できますが、長い期間がたっていると膀胱へのえいきょうもあるため、治療後も頻尿などが続くことがあります。
治療は外科的に狭いところを広げることです。一般的にはブジーと呼ばれる拡張器具で定期的に広げる方法、内視鏡で狭い場所を切開する方法、尿道の狭窄部分を切除する手術などが行われています。
当院で行っている尿道ステントもその治療の一つとして、特にご高齢の方などに有効です。
膀胱頸部硬化症
膀胱の出口部分(内尿道口)が硬くなってしまったため、うまく排尿ができない状態です。治療は内視鏡で硬くなった部分を切開することですが、診断が非常に難しい病気です。

男性特有の疾患

前立腺肥大症
前立腺という男性特有の臓器が大きくなった状態です。尿道を圧迫するため尿が出しづらくなります。前立腺は男性ホルモンの影響で肥大するため、高齢の方に多い病気です。75歳以上の15%以上の方に何らかの症状があると言われています。前立腺肥大症の重症度は前立腺の大きさだけではなく、その形や硬さなどにも影響を受けるので、大きいだけでは治療は必要ありません。何らかの症状がある場合に初めて治療の対象となります。重症になると尿が出なくなる(尿閉)ためカテーテルが必要になります。
前立腺肥大症

治療はまず薬物治療が行われ、改善しない場合に手術治療が行われます。
薬物はアルファ1遮断薬と言われる薬剤がはじめに使用されます。効果がないときは前立腺を小さくする薬や頻尿を抑える薬を併用します。
手術は内視鏡による前立腺の切除がもっとも広く行われています。最近はレーザーによる治療が主流となってきています。しかし、出血が多いことや術後に失禁が起きたりするため、高齢の方には手術ができない場合も多々あります。当院で行っている尿道ステントも前立腺肥大症の治療として健康保険での治療が可能です。

女性特有の疾患

骨盤臓器脱
女性は膀胱や子宮、直腸といった臓器を骨盤底筋と呼ばれる筋肉でハンモックのように支えています。
しかし、この筋肉が弱ってくると、これらの臓器が下がってきて様々な症状を引き起こします。

尿漏れイメージ

膀胱が下がってくると尿失禁や逆に尿が出づらくなったりする場合があります。
予防として骨盤庭筋を鍛える体操が推奨されています。
残念ながら有効な薬などはなく、骨盤に支えとなるメッシュを入れる手術などが必要になってきます。しかし、病院への通院が困難な方などは
ペッサリーなどの器具で位置を修正することで症状が改善できる場合もあります。

外尿道口の異常
女性の外尿道口におでき(尿道カルンクルと呼ばれる炎症性の腫瘤)ができて尿が出にくくなる場合があります。
また、女性は女性ホルモンの分泌が低下してくると膣が小さくなり(萎縮性膣炎)尿道口が奥まって尿が出にくくなることもあります。
カルンクルは簡単な手術で取り除くことができます。萎縮性膣炎にはエストロゲンのクリームなどが有効です。

受診に当たって

当院は在宅医療を提供するクリニックです。様々な原因で病院へ の通院が大変な患者さまをサポートしております。 他院で訪問診療や治療を受けられている患者さまでも対応いたしますので、まずはご相談下さい。

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